たとえ、強制執行されても、銀行口座に1円もお金が無かったり、勤務先がバレていない場合は、債権者にとって空振り(失敗)に終わることが多く、「取り下げ」をしてきます。取り下げをしてきたら、もともと差し押さえ(強制執行)などなかったことになるので、時効の援用の成功を妨げるもにとはなりません。
借金の返済をせずに長いこと放置していると、債権者は裁判を仕掛けてきます。債権者にとっては100%勝てる裁判なのですが、喜んでばかりはいられません。
たとえ、裁判に勝ったからといって、貸した金を回収できるとは限らないからです。
裁判に勝った債権者は、「滞納者の資産を差し押さえる権利」を手にします。
代表的な例は、給料の差し押さえです。
勤務先がバレている滞納者は、返済が終わるまで、毎月給料の一部が天引きされてしまいます。
ところが、勤務先がバレていない場合は、債権者にとっては不利になります。
まず、滞納者の住所付近のゆうちょ銀行、都市銀行にターゲットを絞って差し押さえ(強制執行)を仕掛けてきます。しかし、返済が出来ない滞納者が口座にお金があるわけがありませんから、空振りに終わります。
つまり、銀行口座を差し押さえしても「1円も資金を回収できない」結果となるのです。
すると、債権者は「差し押さえ(強制執行)」を取り下げてきます。
法律上では、差し押さえを取り下げることで「もともと差し押さえをしていなかった」扱いになるので、時効の進行が取り消されることがありません。
※法律の解釈によっては時効は更新される(ふりだし)可能性も0ではありませんが、返済能力のない滞納者と裁判上で争っても債権者にとってメリットは無いので時効の援用を認めてくるケースが多いと想定されます。
銀行口座を差し押さえされても、安心して数か月放置しておけば、債権者が勝手に取り下げをしてきます。債権者としても、どうせ回収できないこともわかっていますから、「こいつは返済不能者」扱いをしてくれるようになるでしょう。
コメント